Interview uguistyle ファッション談義


今回は、はちみつバードの人気連載『Uguistyle』を担当してくださっているuguisuさんに、日頃から気になっていた彼女のファッションについてたくさん語っていただきました。聞き手は、わたくし夏色インコ。

10月25日(木)~28日(日) の4日間、10年以上続いている友人とのギャラリー展が銀座「奥野ビル」にて開催される彼女ですが、その見どころについても訊いてみました。





photo by uguisu



ー夏色インコ(以下インコ)

 *今年の春、東京で1度お会いしましたが、満面の笑顔でこっちに駆けてくる姿を見たときに

 「この ひと大好きだ!」と思ってしまいました(笑)

   短い自己紹介の後、すぐにハグしてくださって。なんだかそういった、日本人離れと

  いうか、垣根なくこちらに飛び込んで来てくれる感じ…すごく魅力的だと思うし、

  これまでの多くのコラボ企画にも感じる点なんです。 

  それって、uguisuさんの持って生まれた資質なんでしょうか?


ーuguisu(以下ウグイス)  

 *早朝の丸の内でインコさんとの初お目見え。あの瞬間は忘れない~!

  いわゆるギャップ萌え。ブログで感じる孤高な鋭さと、会った瞬間に感じる超ユルユル

  感。…で、思わず抱きついてしまいました。

   最近ある人に「好きの力がツヨイ」って言われました。確かにそうかも。 昔から。


 ーインコ

 *それにしても、お洒落ですよね。洋服のコーディネートばかりじゃなく、

  アクセサリー使いもありきたりではなくて一工夫あるというか。

   元々お洒落が好きで、アクセサリーを作り始めたのですか?


ーウグイス

 *基本的に「着道楽」です。「身につけるもの」が大好き。

  でも学生の頃Gジャンをパンツの中にインしてはいたりとか、男子ウケしないようなこと

  ばかりしてました。叔母が関西で当時のブティックしていて、いつか自分も洋服売りに

  なりたいと思ってたなぁ。

    アクセサリーをつけるのはずっと好きだったけど、作るのを始めたのは世の中のビーズ

  ブームに乗ったのがキッカケです。そこでハマりました。


ーインコ

  *あはは(笑)男子受けはしなかったかもしれないけど、インコには超ウケました!

   その頃の攻め(?)のファッションから、今につながってるわけだけど、何か変遷

  みたいなものはあるの?


 ーウグイス

 *ありますね~変遷…。高校は丘サーファー。ヘアスタイルと腕時計だけ。

  聖子ちゃんカットの時代。リュックで学校行ったら遠足行くの?って言われました。 

  その後はGジャンをパンツにインとか、デカジャケットにネクタイと眼鏡とか。

   針がふりきったところで流行りに乗ってワンレンボディコン。DCブランドのスーツ。

   ナチュラル系を攻めてみたら自分には似合わないらしいと気づいたり。

   その辺りから「中庸」を意識するように。

  たぶんママ友という世界を知ったからかなぁと今振り返ると思います。


ーインコ

   *「森ガール」とかお団子ヘアとか…私も打ちのめされた思い出があります… 

  「中庸」というのは、他人からどう見られるかも気にした上で、この辺りかな、という

  自分なりの点を見つけた、という感じなのでしょうか。そういうのって、ご自分の

  アクセサリー作りにも反映されて来ましたか?


photo by uguisu


ーウグイス

 *そうです、そうです。さすがインコさん。わかってもらえて嬉しいです。

   出すぎず下がらず主張もするけど、くどくなくて個性もある。媚びてないけど

  寄り添いもしてくれる。アクセサリーにもそれがあります。

   一番思っていることは、一見どこにでもあるようものを作りたい。最後のスパイスは

  手にした人が加えて使って欲しい。「中庸」って限りなく個性がありますよね。


ーインコ

  *中庸が、限りなく個性的とは、深い。もう少し説明っぽくすると、中庸であるということは

  限りなく個性に幅が出る。なぜなら、手にした人の形に合わせて何通りもの可能性が

  生まれるから。合ってる?

 

ーウグイス

 *合ってる。「中庸」であるということは「超個性的」と「没個性的」の両方を意識してる

  から。その上で「自分の個性」をそこはかとなく出せるから。

 

ーインコ

 *なるほどー。それは作り手の目線て感じする。実は私、アクセサリーをほとんど

  つけないんだけど、そういうことが解ってないから、何をどうしていいのか答えが

  出てこないんだ、ってふと思いました。 

  こういうひとは、どうしたらいいんでしょうか(笑)

 

ーウグイス

 * あまりアクセサリーをつけないんですってお客様に会うと、まず質問します。

  耳に何かつけるのは邪魔に感じる?腕につけると仕事や日中の行動に支障がある?

  襟のある洋服が多い?ロング丈のものを羽織る機会は多い?などなどなど。

  そうやって聞いていくうちに、お薦めしたいものが出てくる。例えばインコさんには

  一度しか会ってないけど、私がお薦めしたいのは耳を飾るもの。

  あのwelcomeTOKIOの時にワンピースのスカートひるがえらせたり、ハードな

  カメラワークしてるのを見て、 華奢な垂れるタイプのイヤリングかピアスを想像

  しました。なんでかな、ブレスレットではないんだなぁ。ネックレスでもない。


 ーインコ

 * えー、そうなんだ!さっきの本質的なことを踏まえた上で、こんな風に具体的な

  アドバイスをもらえると、なんだかとても信頼できます。しかも、すっごく個人的に

  見てもらってる感じがして、贅沢でうれしい。

  uguisuさんご自身がアクセサリーを選んだり、作ったりするときにも、

  こんな風に具体的にイメージしたりするの? 

 

ーウグイス

 *作るときは誰もイメージしてないです。「中庸」な状態で自分が作りたいものを作る

  けど、それを売り場で手に取るかもしれない人も意識する。でもその人のためだけには

  作らない。わかりづらいですね(笑)

  いわゆる不安定な状態でアクセサリーが並んでて、そこへ来てくれた人を見て話してる

  うちに「あ、これが似合うなぁ」って思うんです。

  オーダーで作るときは思いっきりその人を考えますけどね。


photo by uguisu


ーインコ

  * 自分が作りたいもの、っていうのは大前提だけど、自分の好きを押し付けない、

  そこはあくまで自分以外の相手がいるということを意識してる、ってことなんでしょうね。

   そうそう、前からお聞きしたかったんだけど、アクセサリーに限らずファッション全般

  で、誰かモデルにしている人っている?

   uguisuさんにとって、理想的なセンスを持つお手本みたいな人。

 

ーウグイス

 パッションを参考にしてる人は、夏木マリ、桐島カレン、

  結城アンナ(岩城滉一の奥さん) 。

  あなたにはこれが似合うよと冷静なアドバイスをくれるのは主人。

  彼の私を俯瞰するような意見がファッションの決め手になってます。

 

ーインコ

 *さすが、自分のスタイルを強く持ってる方ばかり。特にどんなところに共鳴するのか、

  興味ある。ご主人はお洒落な方なんですね!


ーウグイス

 *歳を重ねることを怖がってない感じがいいなぁと。かといって排他的じゃない柔らかさが

  あって。そうなりたいなぁ。白髪とかね、皺とかね。それも女の勲章よ!みたいな。

  私から見ると主人は着道楽じゃないしお洒落ではないけど、人を観察する審美眼はあると

  思ってます。プロデューサー的な才能があると。手前みそですが。



photo by sui


ーインコ

 *わぁー、いいなぁ。ご主人にプロデュースしてもらえるなんて、理想的!

  はちみつバードの読者さんたちは、まさに今、年齢を重ねることに対して戸惑いが

  ある方も多いと思うんです。それは身体的に、目に見える形で顕著に現れたりとか。

  なかなか受け入れ難いという部分もあると思いますが、uguisuさんご自身はそこに

  関して何か思うところはある?ファッションのことも絡めて、意見を聞いてみたい。

  女性って欲張りだから、やっぱり幾つになっても幸せな気分でいたいもん(笑)

 

ーウグイス

 *50歳を過ぎてここ20年位を振り返って思うのは「今が一番若い」ってこと。

  それは悪い意味ではなくてね。ついついあの頃は若かった…って思っちゃうんです私。

  じゃあ5年後はどう思う? って考えたら今の自分はまだまだ若いよ!って思うように

  なりました。5年後の自分に羨ましがられるような今でいたいなぁ。

  老いるかわりに酸いも甘いも噛み分けた魅力が増えると最高ですよね。

  だから「はちみつバード」の可愛さ残す年齢の重ね方みたいなコンセプトが大好きです。

  しなやかな女性でいたいです。欲張りオッケー!ですよね。


 ーインコ

 *あ、確かに!

  5年後、さらに10年後を考えたら、今の自分は確かにまだまだ若いよね(笑)

  老いるのではなく、深みのある魅力が増すのだと、そんな風に見方を変えると、

  これからでも充分自分の思い通りにスタイルを作って行けるんだ、って気持ちが明るく

  なりますね。

  以前、イタリアに住んでいたことがあるんですが、あちらのマダムは若作りとかしない

  んですね。そういうことをするのはかえって中身がないように見えて、バカにされそう。

  歳をとっても太っていても、海ではビキニを着るし、周りの男性も普通に受け入れ…て

  くれるばかりか、誉めてくれさえするの(笑)

  その時代ごとの自分を楽しめたら、女性のファッションももっともっと自由になるの

  かもしれない。それは実は、心の自由でもあるわけね。納得!

  uguisuさんの溢れ出るような創造性や、何にも媚びていないように見える個性、

  そして実際にお会いしたときにブワーって感じたLove powerみたいなのって、

  もしかしたら愛あるご主人に見守ってもらってるせい、っていう気がしてきた(笑)

 

photo by sui


ーウグイス

 *わかる!イタリアとフランスの女性は潔くて素敵。きっと自分のできる範囲の努力は

  ちゃんとしてるんだろうなぁと思うんです。きっとね、「どこまでの努力が自分に

  無理がないか」を知るのが歳を重ねた力だと思うんです。

  世のはちみつバード世代の男性には、たくさん誉めて~とお願いしたいですね(笑)

  巡り巡ってみんなが幸せになれる(笑)

   主人から言われてナルホド!と思ったことがひとつ。年齢が高い女性の肌に似合うのは

  自然素材。綿、麻、シルク。若い人のデザインは真似しても、同じような素材を真似したら

  良さが引き立たない。若々しいと若いは違うから。だから混ぜて着るようにしてます。

 

ーインコ

 *自然の素材は、着ている方も心地よいね。ご主人はきっと、いつもuguisuさんのことを

  見ているから、そういう感想が自然に出て来るのでしょう。それにuguisuさんも、ご主人

  を信頼されてるのがすごく伝わってきます。素敵な夫婦の形だなぁ。

  努力ってある場面では絶対に必要なものだと思うけど、そのやり方や方向性で、充実した

  生き方になるのか、イタイ感じになっちゃうのか、ってあるかも。

  若いころに散々失敗を重ねて学んだことは、無駄にはならないね。

  まあ、今失敗したことはまた、未来に活きるからいいんだけどね(笑)

  男性は、女性を誉めたほうが確実にモテます。そう、結局は巡り巡ってみんな幸せに(笑)

  それでは、今月25日から始まる展示会について、見どころを教えてください。


ーウグイス

 *テーマは「まる。」

  作品のモチーフだけでなく人も生き方もまるくいきたいねという、

  バックの彼女と2人の最近のテーマです。とにかくアクセサリーをつけに、バックを持ちに

  来てください。好き!とか似合う!とか見つけるお手伝いします。

  会場の奥野ビルは銀座の裏通りにある築80年以上のレトロ不思議な建物で、エレベーターが

  手動!4日間ですが、2人でお待ちしています。

       去年から今年にかけて2人とも体調や生活に変化があったので「無理せず楽しくやれるとこ

  ろをまるくおさめよう」と。そんなユルさの出た作品展にしたいです。

  まるい気持ちで作っているうちに、今年はいつもと少し違って特定の人を思い浮かべた作品

  が多くなりました。どれがどれかは内緒です。最初の「中庸」と矛盾するけれど。

  例えばインコさんを思って作ってみたり。インタビューの最中に作りましたよ(笑)

 

ーインコ

 *え、ほんとに?うわぁ…uguisuさんのお人柄を知ってるが故に、なんだか胸が熱く

  なります。では、最後に。uguisuさんにとって、ファッションて何ですか?

 

ーウグイス

 *ただ一言。大好きなことです。誰のためでもない、自分だけの好きなこと❤  




「まる。」 2018.10.25(木)〜28(日)

     12:00~19:00(最終日のみ〜17:00)

Salon de La  東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル607号室


Jacalanda biz     https://www.instagram.com/jacalanda_biz/  







はちみつバード

わたしたちの日常はふと、 ノスタルジックなファンタジアに彩られる。 わたしだけが選べる、わたしだけのかわいい日常。 ことばと。写真と。

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