「○○くんが好きです」
幼稚園の先生の耳元で
ささやいた甘酸っぱい思い出。
なぜそうなったのか、
今思えば異様に小さい椅子に座った
先生の耳元に行って
一人ずつ
好きな人を告白した。
誰が誰を好きだったのか
私が好きな○○くんとは
両想いだったのか
それはわからないまま。
小学生の
休み時間の廊下で
いつの間にか集まったみんなで
好きな人を
公表しようとなって
自分の名前が何回も出た時は
その「有り難さ」は
まったく自覚してなかった。
近所の中学へ
少し遠い高校へ。
高校の
通学途中の電車で
久しぶりにバッタリ会う同級生が
とっても綺麗になってたり。
部活で遅くなった帰り道
サラサラの髪で
白くて長い足を出して
あの廊下で隣に静かに座ってた子が
すごく素敵な彼氏と歩いてて
エースを狙えブームにのったはずなのに
真っ黒に日焼けしただけの自分。
私は負けない!
・・・って見えない敵に
心の中で宣言する。
あの廊下でのひとこまは
「有り難い」時だったのだと
思い出しながら。
女子大生になって
スカーフで自分を着飾ることを覚える。
結び方も工夫して
人が行き交うデパートの
ガラスケースの中で
誰にともなくアピールするみたいに。
張り切って合コンを企画しても
あの時の
廊下のような現象は
起こらなかったけれど。
諦めかけた頃に
誘われたスキー合宿で
たくさんの出会いがあったのに
なぜか何も手元に残らなかった。
今更ながらに思うのは
「私のモテ期は小学生」
あの頃の有り難さを
全く生かせず
今に至るけど、
モテ期ってなんでしょう。
はちみつバードな私たちは
たとえ過ぎ去った善き瞬間を
懐かしく思い出しても
そっと
目のすみに置いておくのです。
あの頃の
甘酸っぱい
やりとりの記憶と共に。
きっとこの先
もっと善き瞬間が訪れると
バカ明るく信じているから。
今は
年齢も
性別も
環境も関係なく
自由に
自分の意思で
糸を紡ぐことができる。
ほろ苦いあの頃を知っているから。
text & photo by uguisu
uguisuがお届けする、はちみつバードの身近な生活スタイル。
懐かしい乙女心。Uguistyle。
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