緑の指を持つ人
よくある電車内の風景。
写真ではなく想像してみて下さい。
うつむきながら液晶画面を見つめている人90%
その90%にわたしもしっかりカウントされています。
隣の人に画面を覗かれることが嫌で
ブログやSNSを開くことはありませんが
気になるニュースと情報収集にあけくれているせいか
検索するのだけは得意になりました。
何もないところからキーワードを考え
タタッタッ!と指で検索画面をタップ。
欲しい情報がヒットした時の爽快感はたまらなく。
わたしだけの密かな愉しみです。
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植物を育てるのが上手な人のことをグリーンサム(緑の親指)と呼ぶそうです。
どんな瀕死の状態の植物でも
グリーンサムに掛かればたちどころに元気になる。
植物をすぐに枯らすか、放置してしまうわたしには
どうやったらそんな指を手に入れられるのか
それこそ、グリーンサムにわたしの親指を育てて欲しいくらいです。
さて、植物と対話出来る人にとって
その愉しみとは何でしょう?
「種」というゼロの状態から植物を育て上げ
青々と茂っていく過程を愉しんでいるのでしょうか。
それ以外にも実を得るという満足感もあるかもしれません。
今回の一枚は、そんなグリーンサムの能力を持つマダムが
落ちていた草をあっという間にリースにして愉しんでいる様子を撮ったものです。
何もない広い自然の中で
撮影のためだけに立ち続けているのはつまらないものです。
普通の人なら途中で飽きてしまっているかもしれません。
当初は緊張していたものの
気付けば道に落ちているどんぐりや枯れ枝を集めるのに夢中になり
トンボの群れに童心に還ったようにはしゃぎ
そして、枯葉のリースを作った段階で満面の笑顔。
そこがまるで自分の居場所なんだと思わせるくらいに。
グリーンサムとはきっと
人と植物の垣根を越えた妖精のような存在なのかもしれません。
そして、冒頭の検索上手なわたしの指。
グリーンサムと比べたら
悲しいかな、スマホという機械に踊らされたピエロ
そんなところでしょうか。
photo & text by sui
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