Sui's standards vol.5「美」のスタンダード子供の頃住んでいた家の近所に庭に葡萄の木がある古い洋館がありました。そこに住む高齢の女性は以前から近所の子供相手にピアノを教えておりすでに習っていた姉を真似てわたしも通うようになりました。***洋館の門構えはとても質素で塀というよりは垣根に近く白木でできた背の低い門を開けると、小道のような石畳が続いておりその先にクニャりと枝を伸ばした葡萄の木がテラスの柱にしっかりと巻きつき屋根代わりとなっていました。玄関がどこにあるとか洋館の壁が何色だったとか細かいディテールはもうすでに記憶に残っていません。ですが、夏になるとテラスの窓が開け放たれ葡萄の葉の陰になった暗い室内から白いレースのカーテンがちらちらと揺れ木漏れ日が丸い...20Nov2021suiher storyphotolife
Uguistyle12~女の子にもどる散歩ずっとむかし。子どもの頃のスーパーの買い物は茶色い紙袋で長いネギの頭が飛び出たまま抱えて帰ってた。雨の日は紙袋が濡れないように帰るのが大変そうなお母さんたちの横顔を思い出す。「ひとつだけね」そう言われて売場の棚の前をスキップして小さなお菓子を選んだっけ。カラフルなキャディグリコのおまけ小袋のスナックチョコレートバー選べるのはひとつだけだったからすごく大切だった。ここ1年、遠出をしなくなって。いいえ遠出しなくなったからこそ覗くようになったお店がふたつあります。ここは古い街。住む人が高齢になって、「趣味のものを捨てるのは忍びない」そんな人の駆け込み寺のようなリサイクルショップと週に2日しか開かない小さな自宅ショップ。今の家に引っ越して何...05Jun2021uguisuher storyfavoritelife
彼女を読む #32015/2/10 記きっと、きっと分かってしまうだろう近くで見ているひとたちは、2人がどれだけ似ているのかを経験してきたこと、夢中になった音楽、傷ついた理由様々なことが、そこから既におんなじだから23Jul2018her storypoetrylife
彼女を読む #22009/2/3 記このつかみどころのない宙(そら)に漂い、自分の力でできることなんてほんの少しだけ不確かな不安に怯え先の見えない岐路で戸惑う信じられるものは変わらない、何かでもあるのかな、そんなもの愛してることなんて忘れちゃうぐらいに愛があたりまえになったなら変わらないものになれるだろうかわたしも誰かの永遠(とこしえ)に、なることができるのだろうか19Jun2018her storypoetrylife
彼女を読む #12017/5/28 記 誰もが傷つかないで誰もが自由にそれぞれの愛を歌えばいい空を飛ぶ小鳥のようにそしてその場所でほんとうの自分に出逢うのでしょう30May2018her storypoetrylife