Uguistyle最終回~手を動かす意味手触りのいい抹茶椀。模様も素敵。手にとるふりをしながら確認したいつもより高いお値段は、今の自分から一段上がれる階段のような気がした。30歳を過ぎて年齢と一人時間が比例するように増えてくると背伸びして入るお店、ギャラリー、セレクトショップも増えていく。そういうところに集まってくる少しだけ世代が上の人たち。小さな銀細工のブローチエナメルのポーチラインストーンのついたペンリネンのワイドパンツ草木染めのスカーフいちいち細かいところが洒落ていて、どうやったら仲良くなれるのか。話しかける切り口がなくていつもじれったく思うのだけどそんな気負いをよそに彼女たちは惜しげもなく色々なことを教えてくれた。2021.12.24 11:00
Uguistyle12~女の子にもどる散歩ずっとむかし。子どもの頃のスーパーの買い物は茶色い紙袋で長いネギの頭が飛び出たまま抱えて帰ってた。雨の日は紙袋が濡れないように帰るのが大変そうなお母さんたちの横顔を思い出す。「ひとつだけね」そう言われて売場の棚の前をスキップして小さなお菓子を選んだっけ。カラフルなキャディグリコのおまけ小袋のスナックチョコレートバー選べるのはひとつだけだったからすごく大切だった。ここ1年、遠出をしなくなって。いいえ遠出しなくなったからこそ覗くようになったお店がふたつあります。ここは古い街。住む人が高齢になって、「趣味のものを捨てるのは忍びない」そんな人の駆け込み寺のようなリサイクルショップと週に2日しか開かない小さな自宅ショップ。今の家に引っ越して何年もたつのにいつかいつかと先伸ばして、遠くのきらびやかなビルや刺激的なイベントや華やかな集まりに気をとられ素通りしてた場所たち。きっと、こんな世の中にならなければ行かずに終わってたかもしれない。それらはお散歩コースの途中にあって何度も足を運ぶうちに「いらっしゃい」から「こんにちは」に変わりました。今日はひとつだけ。そう心に決めて「こんにちは」とご挨拶。行く度に新しいものがあってワクワクしながらでも澄ました顔してはやる気持ちをおさえひとつずつ手に取る楽しさ。刺繍好きだった人が目がきかなくなったからと全てを手放したらしい糸や木枠。小さな木筒の針入れ。角川文庫のナツイチ、ハチのストラップ。ミニミニ書道セット。試供品のミニ香水瓶。可愛いピンクのつまみ細工。小さい手鏡。renomaのハンカチ。アルミの小箱に入ったカラフル待ち針。ベークライトのブローチ。切子のグラス。繊細な竹細工の箸おき。カードキャプターさくらのミニチュア。セーラームーンの杖。金の表紙のリングノート。亜土ちゃんの鉛筆。みんな50円とか100円とか手書きのシールが貼られてて。お菓子の棚の前をスキップしたのは遠い昔で、今は好きなように買えるけど。女の子の気持ちに戻って100円玉を握りしめて出かけるお散歩。「今日はひとつだけ」そう思って選ぶ棚はあの日のお菓子の棚のようにキラキラした宝石箱のよう。選ぶのはひとつだけだから慎重に注意深く。そうしてひとつに決めた可愛いものを手にする帰り道はあの頃のワクワクと変わらないのです。「ひとつだけね。」あの日の母の言葉は今は自分で呟く言葉・・・・・。はちみつバードな私たちはたくさんの道を前にしてたくさん間違ったからこそ今があるのを知っている。いくらでも手にできる中から少女のようなピュアな心でほんとうに欲しいものだけを選ぶことができる。また行こう、あのお店へ。100円玉握りしめて。text & photo by uguisu 2021.06.05 11:00
uguisuノートカバー@ヤマネコヤマネコ製作:uguisuノートカバーのご紹介。・とにかくCROQUISのカバーが欲しい。・コラージュしまくるから厚さに余裕をもたせたい。・使いにくくてもいい。・デザイン重視。・どこにもないようなのがいい。・カラフルがいい。作ってもらうと決まった直後から頭に描いたどこにもないノートカバーはどんなものかハッキリ決まってました。2020.02.23 11:00
Uguistyle~10 雨降って地固まる雨が降れば傘をさす。それはなぜ?濡れたくないから?「雨が降れば傘をさすものだ」と教えられたから?少しも疑問に思ったことがなくて出会ったばかりの彼に「雨だから傘がいるね」と話したら「なぜ傘をさすの?」と聞かれました。「濡れたっていいじゃない。気持ちがいいよ」好きにならないわけがありません。それでも私は傘をさしたけれど彼はよく濡れてました。そして言うのです「気持ちのいい雨だね」雨が屋根をうつ音がし始めるとにっこり笑って「いい音だね」突然降ってきた雨に濡れながらさすがに大雨で小走りで帰ってきたらしい彼の玄関に入ってくるその顔が何とも穏やかで大雨で濡れるのがいやだと言うと「じゃあゆっくりどこかで雨宿りをしていこう」雨宿りした小さな喫茶店で珈琲を味わう楽しみを知りました。そんなことを繰り返すうち、なんて自分は小さいことに右往左往しているのだろうと肩肘張ってることがバカらしくなりました。傘がなくたって大したことじゃないと思えるようになりました。それでも雨が降れば傘をさすのは変わらなかったけれど。慣れとは怖いものでロマンチックな時間を教えてくれた彼と「一緒に協力して」家庭を築き「役割分担をして」仕事と子育てをこなしていくうちに雨がなんだ傘がなんだ喫茶店で珈琲なんて飲んでられるかお互いが目の前のことで一杯で、ここでは話せない色々なことがあって真剣にこの人とはもう暮らせないそう思うことが出てきます。どしゃ降りです。大雨を避けたり大きな傘をさしたりそれこそやむまで雨宿りをすればよかったのにね。それでも日々の生活に流されてそれぞれの傘を持ち別々に濡れたりお互いに傘を差し出す優しさは忘れてしまって一人で雨宿りしたりするうちに雨をやり過ごす術を身につけていったのでしょう。惰性なのか妥協なのか諦めなのか達観なのかまさに雨降って地固まる。今もたまに玄関先で濡れて帰ってきた彼の微笑みを見るとあの知り合ったばかりの頃を思い出します。今なら彼に傘を差し出せるし一緒に濡れて帰れるし喫茶店で珈琲を楽しめる。相変わらず彼は雨に濡れるのが嫌いじゃなくて私は置き傘を忘れないでいるけれど。雨が降れば傘をさす?それは自分で好きに決めればいいだけのこと。はちみつバードな私たちは雨が降ってもさす傘や差し出すタイミングを自由に選ぶことができる。なぜなら、たくさん悩んでたくさん失敗してきたその道が私たちを支えてくれているから。text & photo : uguisu2019.11.22 11:00
Uguistyle~9 人形の想い出記憶にないベビーベッドの上できっと最初に持たされたのはタオルでできたぬいぐるみ。それが、起き上がりこぼしに代わり抱っこ人形になって、例にもれずリカちゃん人形にハマッていきました。おもちゃ屋さんに行くと、カラフルな長方形の箱にお行儀よく並んでるリカちゃんたち。お誕生日とかクリスマスとか特別な日に少しずつ買ってもらって家で持ってる洋服を着せ替える幸せ。近所の子と家を行ったり来たりして押し入れを家にして飽きもせず、ずーっとドラマをしてました。今思えば台本なんてなくてそれなのにいろいろな事件や普通の日常や急なお客さまをつくったり。なんとクリエイティブな時間だったことでしょう。彼氏を作りたかったけど当時の「わたるくん」は家にいなくて、仕方なく2歳下の弟の仮面ライダーを「仮氏」に。ソフビの背丈がちょうどよかったのです。カマキリみたいな顔をして今ひとつ素敵な彼ではなかったけどそこは見ないことに。たまに悪者が来てさらわれて、助けに来てくれる役目もしてもらいました。ある日、何を思ったのか母が一人で人形遊びをしている私の部屋に入ってきて「仲間に入れて」と言うのです。友だちと繰り広げるドラマは楽しくて仕方ないけれど母親と二人でやるのは恥ずかしくていやでした。でもいやとは言えず。そうかと思うと、「仲間に入れて」と言った当の本人が微妙に照れているのです。それはないでしょう~笑。恥ずかしがっている母娘が最近買ってもらった「リカちゃんハウス」で「お茶をいれてちょうだい」「はい、どうぞ」なんて空々しい会話を繰り広げるあの奇妙な時間。ずっと大人になってから母に聞いたら「自分の娘がのめり込んでいるリカちゃん遊びとやらを一度体験してみたくなって。」「ちょっとした娘へのサービスのつもりだったのよ」後にも先にもあの一回だけでしたが40年以上たった今でもあの「母なりの愛」を鮮明に覚えています。めぐりめぐって世代交代。娘が人形遊びをするようになり、本人が欲しがるよりも前にリカちゃん人形を買い与えました。幸いにも娘も人形遊びを好きになってくれてでも決して一緒には遊びませんでした。恥ずかしいもんね。当の本人は私と遊びたかったのか聞いたことはありませんが。母になった私がハマったのはリカちゃん人形の洋服作り。どんな小さな端切れでも、ワンピースの衿やポケットやバックの飾りに使えるものだから、娘が着れなくなった洋服までもとっておいてひたすら作りました。トラ模様でファーのコートとかレースのついたスカートとか。娘が欲しいデザイン無視してひたすら自分が欲しいものばかり。今でも大切にとってあります。仮面ライダーが彼氏だったリカちゃんも。トラのコートを着せられたリカちゃんも。今でも「ドール」と聞くと素通りできないのは、きっとそんなたくさんの時間を思い出すからなのでしょう。はちみつバードな私たちはそろそろ人生を歩む道の前と後ろの両方を見るようになって、かわいいお人形にさえノスタルジックな気持ちにされるのです。大人の人形遊び。胸を張っていたしましょう。text & photo : uguisu2019.09.23 11:00
Uguistyle~8 サンリオのおまけ「常に移り変わる世間のモノサシに合わせるのではなく、自分の好きなものをまっすぐ素直に愛することができる目線」トップページにあるはちみつバードの「コンセプト」抜粋です。はちみつバードをフォローしてくださっている面々を覗いてみると意外にも男性が多く、始めた当初の予想と比べると嬉しい誤算。「自分の好きなものをまっすぐ・・・・・」・・・・は男女関係なく、ここに訪れてくれる人はみんな世間のモノサシにとらわれない面々なのでしょう。********しばしお休みを頂いて復帰第1弾は編集長の夏色インコさん計らいのもと、自分のお誕生月と同時にはちみつバードのお誕生月となりました。今回は初心にかえりuguistyleの「モノサシ」を。『はちみつバードの身近な生活スタイル。懐かしい乙女心。』こちらがuguistyleのコンセプト。2019.05.15 11:00
Uguistyle~7 私の想い出の1曲むかし学生時代の頃。特に高校生の頃。クリスマスが近づくと気分がしずみました。街のどこへ行ってもBGMはクリスマスソング。学校からの帰り道の商店街も駅前のデパートもサンタやツリーで綺麗に飾られて。ウキウキするどころか薄暗い気持ちになる。早く終わらないかなぁ……。どうしてかな?その時はなぜだかわからなかった。失恋したわけでもなく、辛いエピソードがあったわけでもなく。でも今になってみて他の誰よりも一番幸せなクリスマスを過ごさなくちゃ!と高い高いプライドがそうさせていたんだとわかるのです。*****真っ黒になってラケットかかえて憧れだった「お蝶夫人」とは縁遠いテニス人生。こわい部長の私がテニスコートへ行くとそれまで仲良くラリーをしていた男子と女子が、蜘蛛の子散らしたようにいなくなる…クリスマスが淋しいなんて死んでも言えません。青くて堅い部長女子はなぜ暗くなるのかわかってなくて。*****そんな私に急転直下で年上の彼氏ができました。何もかもが大人の彼に叶うものはなく部長のプライドはそのままで最初は夢のようでもうまくいくわけがなく。幸せ絶頂は一瞬で終わりました。そんな彼に「聴いてごらん」とプレゼントされた大瀧詠一の「A LONG VACATION」。ジャケットの一番最初に流れた曲が「君は天然色」。クリスマスのプレゼントでもなく、冬の曲でもなく、全然関係ないのに。この時期になると想い出すのです。「切なくてどうにもできなくて」「なんだかわからないけど淋しい」そんな気持ちと一緒に。*****もう二度と会うこともないあの彼は最近また耳にするこの曲を聴いても何も思わないことでしょう。*****切ない想い出の曲を聴きながら脳内で都合のいいように、口の中で飴玉ころがすように、想い出にひたる。はちみつバード世代の特権です。text by uguisu2018.12.14 11:00
Uguistyle~6 靴「数字に下駄をはかせる」という言葉がありますが………。靴が好きです。一歩外に出ると必ず履く靴。裸足の時の自分より少しだけよく見せてくれる、「家に帰るまでの相棒」。シーン別にパンプス。ローファー。おでこ靴。ブーツ。スニーカー。…を揃えて持っています。スーツやスカートにパンプス。ネクタイで遊んだときはローファー。ツィードの上着におでこ靴。デニムにブーツ。チノパンにスニーカー。ちょっと靴を変えただけで雰囲気が変わる。たのしいたのしい。今度は外してボーイッシュなコーデにパンプス。文学少女の日はローファー。ワイドパンツにおでこ靴。ガーリーなスカートにスニーカー。それにアレンジでサンダルやバレエシューズサボスリッポン。自分の足元だけを撮ってブログに載せることがあるけれど、気持ちは「下駄をはかせて」ます。ちょっとよく見せたいな。カッコいいって言われたい。ほんとはそうでもないけどね。でも、いいじゃない。ちょっと、自分の数字に下駄をはかせてみよう。むかし。高いヒールのパンプスに合わせたパンツを買いに行って試着室で裾上げを頼みました。センタープレスの紺白ピンストライプのワイドストレート。前は足の甲が隠れてワンブレイクするくらい。踵はヒールが2センチ見えるくらい。鏡の前で前向いたり横からチェックしたり。こだわり抜いて作ったパンツで食事会に行ったら小上がりのお座敷で。靴を脱いだら武士の長袴みたいになりました。そんな失敗をしながら、それでも変わらず今も自分をよく見せる靴を探してます。昔と少し違うのは、バリエーションができたこと。ブーツはブーティーとかエンジニアブーツとか。スニーカーはハイカットとかオールスター。そして新たに仲間入りしたのは「楽な靴」。それでもお洒落はしたいもの。何歳になっても…自分の数字に下駄をはかせましょ。text & model : uguisu2018.11.19 11:00
Uguistyle~5 お道具箱いつの間にか好きになったこと集める分ける並べる整理整頓とは違う、集めて並べる事そのものが楽しくって。「お気に入り」を並べながら愛でて萌える時間。時間があるならずっと分けて遊んでいたいのです。その時の気分で分け方が違って大きさとか色別集めた年代素材マイブーム今作ってるものあぁ明日作ろうプレゼントしたい分けて愛でるものは紙だったりヒモ、紙テープ、リボン、毛糸マスキングテープシール、切手、ラベル封筒、ポストカード届いた手紙はんこ、マジックペン、色えんぴつ針山大好きなこけし民芸品、お守りマッチ箱行った美術館のフライヤー木の実お菓子の空き箱、空き缶本棚の本、図録スカーフ、ハンカチ、ポーチビーズ、ガラス玉、天然石ネックレス、ブローチペンチ、ニッパー、ハサミ、カッター木工レザー彫金の道具名付けて「分類旅行」。色々なことが交差するひとり旅。紙を分けてるはずだったのに封筒を作りたくなる。封筒を作ってるはずなのにマスキングテープを分けて並べ始める。あぁそうだった紙を整理してたんだっけ。手紙を出したいなぁ。切手どれにしようかな?ふと後ろを振り返ると大好きなものが部屋中に散乱していて幸せな気分になる旅。北欧の絵本で丸太の男の子がものを集めて分類するお話があります。タグをつけて分類してみんなに見せようと博物館を開こうとする絵本。たくさんありすぎてどうしたらいいのかわからなくなっちゃう。なんのために分類してたんだっけ?もういやになっちゃったよ…博物館はできるのかな?ウキウキ集めてたくせにたくさんありすぎてパニックになっちゃう可愛いキャラクター。そんなお話に偶然出会ってから大好きになり、好きが高じてブログで「交換会」をして遊びました。小さな箱に何かを詰めて交換する「ごっこ遊び」。小学校に入ってピカピカの1年生に配られたあのお道具箱。もらったときは開けたり閉めたりして大好きだったなぁ。あの頃と入れ物は少しも変わらない。古くなってるけど私の「お道具箱」。大好きなものが散乱しています。「博物館」は開けるかな?はちみつバードな私のマニアックで静かな強さで譲れない小さな「お道具箱」のおはなし。text & photo by uguisu 2018.09.29 11:00
Uguistyle〜4 モテ期 「○○くんが好きです」幼稚園の先生の耳元でささやいた甘酸っぱい思い出。なぜそうなったのか、今思えば異様に小さい椅子に座った先生の耳元に行って一人ずつ好きな人を告白した。誰が誰を好きだったのか私が好きな○○くんとは両想いだったのかそれはわからないまま。小学生の休み時間の廊下でいつの間にか集まったみんなで好きな人を公表しようとなって自分の名前が何回も出た時はその「有り難さ」はまったく自覚してなかった。近所の中学へ少し遠い高校へ。高校の通学途中の電車で久しぶりにバッタリ会う同級生がとっても綺麗になってたり。部活で遅くなった帰り道サラサラの髪で白くて長い足を出してあの廊下で隣に静かに座ってた子がすごく素敵な彼氏と歩いててエースを狙えブームにのったはずなのに真っ黒に日焼けしただけの自分。私は負けない!・・・って見えない敵に心の中で宣言する。あの廊下でのひとこまは「有り難い」時だったのだと思い出しながら。女子大生になってスカーフで自分を着飾ることを覚える。結び方も工夫して人が行き交うデパートのガラスケースの中で誰にともなくアピールするみたいに。張り切って合コンを企画してもあの時の廊下のような現象は起こらなかったけれど。諦めかけた頃に誘われたスキー合宿でたくさんの出会いがあったのになぜか何も手元に残らなかった。今更ながらに思うのは「私のモテ期は小学生」あの頃の有り難さを全く生かせず今に至るけど、モテ期ってなんでしょう。はちみつバードな私たちはたとえ過ぎ去った善き瞬間を懐かしく思い出してもそっと目のすみに置いておくのです。あの頃の甘酸っぱいやりとりの記憶と共に。きっとこの先もっと善き瞬間が訪れるとバカ明るく信じているから。今は年齢も性別も環境も関係なく自由に自分の意思で糸を紡ぐことができる。ほろ苦いあの頃を知っているから。text & photo by uguisu 2018.08.18 11:00
Uguistyle~3 ネックレス38425080120。…は、アクセサリーを作るときのマイルール。チョーカープリンセスマチネロープ。…は、パールネックレスの長さの名前。かつてのアメリカ大頭領夫人ジャクリーン・ケネディはイミテーションのパールをよくつけていました。ガラスや樹脂にパール加工された本真珠とはどこか違う大きな粒。彼女の鎖骨に沿って揺れるネックレス。セピア色の写真がとても素敵で。何かの雑誌で初めて見たときに、それがコスチュームジュエリーだとは何も知らずにジョキジョキと切ってスクラップしました。コスチュームジュエリーとは、本物ではないフェイクな素材で華やかにつくられたアクセサリーのこと。本物の真珠や宝石と比べたら安価で「やすっぽい」はずなのに組み合わせや身に纏う心意気でいかようにも変身できる。ファッションリーダーになった大統領夫人、通称「ジャッキー」は本物を知っていたからこそイミテーションを上手に着こなせたのかも。でも。本物を知らなくたって胸をはってイミテーションをつけていたい。だって、好きなんだもの。38㎝のネックレスに数㎝調整できるアジャスターをつけるとその人の鎖骨のくぼみに合わせて美しく沿わせることができる。42㎝のネックレスは誰もが抵抗なくつけられる長さ。秋口になってきて首元が涼しくなってきたら50㎝の長さが活躍し始めて、涼しくなる前のカーディガンの下につけてもアンニュイな感じが素敵。細く長く軽く長く一連で長く、二重に巻いたり結んだり。そんな遊び方を80㎝で楽しめるようになったらこっちのもの。そうすると120㎝は長すぎるなんて思わなくなるのです。ブレスレットにしたっていいのだから。はちみつバードな私たちは、忘れてた昔の記憶スクラップを何かの拍子に思い出して今の自分に生かすことができる。そして、また今日から人生の先輩方を追いかけるようにスクラップを増やしていくのです。心につけましょうネックレスを。text & photo by uguisu2018.07.25 11:00