すずまき*本と、紅茶と、あの頃と。#10#10「っポイ!」×ルピシア カシュカシュ早いもので前回#9を書いてから約1年経っていました。えっ、もうそんなに経つの?とびっくりしています。歳を重ねるたび、どんどん1年があっという間になりますね。子供の頃は1年間って永遠のように長かったのになぁ。子供の頃の1年間が長く感じられるのは、毎日が新鮮で、初めてのことやドキドキすること、ワクワクすることをたくさん経験するからなんだそうです。大人になるにつれて、新しい経験をする機会は減っていくので、同じ1年間でも短く感じてしまうのだとか。そういう心理的現象を『ジャネーの法則』というらしいです。今回ご紹介する作品、まさにそんな『ジャネーの法則』的な時間の流れ方をしているんです。中学3年生という...30Nov2021suzumakibookfavoritelife
手前のいきさつ二十数年間、創作みたいなもんをやってまいりました。「好き勝手にやってこられて良かったね、羨ましいこった」と思われるやもしれないが、当人においては際限のない暗黒時代の他ないよ。(いつも素寒貧、将来を台無しにしている自覚故w)バンドやって、(同世代でバンド経験者って腐るほどいるのよね)上手くいかなくて映画をやった。映画で躓くと一人でやれる小説に臨み、やはりモノにならず逃げるように再びバンドを組んだ。それもメンバーが死んで決定的な終わりへ。もう二度と誰かと何かをやるのはごめんだと思った。だから懲りずに一人でやれる小説を書き出して、あと一歩でというところで届かなかった。物書きは最後の砦だという悲愴感めいたもんがあったから、諦め切れずにしがみ...24Nov2021haienacinemanovelphotolife
Sui's standards vol.5「美」のスタンダード子供の頃住んでいた家の近所に庭に葡萄の木がある古い洋館がありました。そこに住む高齢の女性は以前から近所の子供相手にピアノを教えておりすでに習っていた姉を真似てわたしも通うようになりました。***洋館の門構えはとても質素で塀というよりは垣根に近く白木でできた背の低い門を開けると、小道のような石畳が続いておりその先にクニャりと枝を伸ばした葡萄の木がテラスの柱にしっかりと巻きつき屋根代わりとなっていました。玄関がどこにあるとか洋館の壁が何色だったとか細かいディテールはもうすでに記憶に残っていません。ですが、夏になるとテラスの窓が開け放たれ葡萄の葉の陰になった暗い室内から白いレースのカーテンがちらちらと揺れ木漏れ日が丸い...20Nov2021suiher storyphotolife